JOURNAL ラシットの想いとモノづくり 
Vol.1

  • 「価値あるものは、時を超える」をコンセプトにバッグブランドとして誕生したラシットは2020年8月に20周年を迎えます。
    20年続くラシットのものづくりに込めた想いを、月1回のコラム連載を通じてご紹介します。
    第1回目はブランド誕生のきっかけ、そしてブランドのこれからを探ってみました。

「ぬくもりのあるバッグを届けたい」
その想いからラシットは生まれた

  • ラシットが誕生した20年前は、欧米系の新しいブランドが参入してきた時代でした。
    その中で我々が感じたことは、“新しいものは素敵だけど、どこか温もりがたりない。
    日本人が持っているようなわびさびや温もりを感じることができるバッグを作ることができないだろうか”という思いでした。
    また、当時バッグといえば、バッグ専門店で販売しているのが当たり前でしたが、私たちのようないわゆる「ファッション屋」が手掛けるバッグを作ったら楽しんでいただけるのでは、と思っていました。
    例えば、“押入れの奥からなんとなく取り出してみたバッグを磨いてみたら、すごく素敵で新鮮に感じる!と思ってもらえるようなもの。時代やトレンドに捕らわれず、なつかしさの中に温かみを感じられるバッグを作っていきたい。”そんなバッグへの強い想いからラシットは誕生しました。

「運ぶを楽しく、美しく」
デザインに込めた想い

  • 私たちは、バッグを持つことはある意味「運ぶ」ことだと思っています。
    みなさんがバッグを持つとき、「スタイリングの一部として人に見せたいバッグ」か「便利だから持ちたいバッグ」なのかを考えると思います。
    ラシットが提案したいのは、「便利だから、使いやすいから持ちたい」に「美しさ」をプラスしたバッグです。
    “バッグの役割は自宅に置いておくものでもない、飾るものでもない。”
    だからこそ、お客様の生活がより快適になるようサポートしていけるようなバッグでありたいのです。
    その中で、コンセプトというものは時代とともに変わっていきますが、「使いやすい、軽い」これだけはずっと大切にしつつ、「機能的であるが、美しさのあるデザイン」を常に追求していくことで「運ぶことが楽しくなるような」バッグを生み出し続けていきたいと考えています。

ラシットを続けていくうえで、
大切にしていること

  • いかにラシットを手に取ってくださったお客様に「楽しく」なってもらえるのか、「美しさ」「快適さ」を感じてもらえるのかをブランドが誕生した時から大切にしています。
    例えばバッグを持ち歩く際、スマートフォンやリップを取り出すシーンがありますが、そんな日常の些細なシーンの中に、ラシットのバッグがあることで快適さを感じてもらいたいです。
    また、ラシットが「日本製」にこだわるのにも理由があります。
    日本の職人の多くは几帳面で丁寧な方が多く、持ち手のステッチ部分などの細かいディティールは、日本の職人が持っている高い縫製技術があってこそ、美しく仕上げることができます。
    その高い技術力に加え、日本の文化を理解したうえでの技術へのこだわりがあるからこそ、ブランドの求める「温かさ」をバッグに込めることができると考えているからです。

ラシットのこれから

  • これからも「ラシット=等身大」。
    機能的で少し懐かしさもありつつ、時代に左右されない姿勢をぶれることなく保っていきたいです。
    ただ、懐かしさとは言っても先述の通り「美しさ」も重要です。
    例えばトレンドカラーなどを取り入れつつも、しっかりと機能性とデザイン性があり、飽きることなく持つことができるバッグを作り続けていきたい。
    一方で、良い変化も取り入れていかなくてはなりません。
    その中で、新しい試みとして「サスティナブル素材」を使用したバッグを発売しましたが、今後も環境保全など社会に対してなにができるかを意識して、手に取ったお客様が安心できるバッグをお届けできるよう取り組んでいきたいです。
    また、日本製にこだわるブランドとしては日本の伝統、匠の技を絶やしてはならないと思っています。ラシットというブランドはベテランの職人の方たちも含めた一つのチームで成り立っているので、「日本の伝統」の魅力を生地やデザインに取り入れることで伝えていきます。
    最後に、ラシットは店舗に足を運んでくださるお客様がいたからこそ、20年ブランドを続けることができました。
    「お客様のリアルな声」をものづくりに反映し、そしてブランドの想いを提案できる売場という場所があったからです。
    現在はオンラインストアも規模を大きくし、ご利用される方も増えてきました。
    接客の場が店頭からオンラインとなっても、ラシットが大切にしてきた「温もりやバッグに込めた想い」をしっかりとお客様にお伝えできるように心がけています。
    わたしたちは、お客様の手元にバッグが渡った瞬間から、「お客様とバッグの物語がスタートする。」そう思っています。
    今までも、これからも、そして売場が時代とともに変化しても、ラシットのバッグをきっかけにお客様の新しい物語を始めるお手伝いをしていければという想いで、ラシットらしいものづくりを続けていきたいです。

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