COLUMN

Vol.004
Friday, 16th of April, 2021

2021年、私たちはとても便利でスピーディーな時代を生きている。
会ったこともない人のインテリアや、今日のファッションを見ることができたり、
芸能人の方のプライベートなんかもSNSで覗けたりする。

また、自分もボタン一つで世界中に言葉も、写真も、声も発信できる。
世界を身近に感じる。とても素晴らしく、恵まれている時代だと思う。

その傍ら、大切なものも見失いがちな気もする。
遠い広い世の中を見過ぎて、近いものの尊さを
おざなりにしてしまうなんてことはないだろうか。

例えば、お茶をしている時に可愛いケーキの写真を撮って投稿するのに夢中で、
目の前の友達の話しを流してしまっていたり...

世の中と繋がることももちろん大切なのだが、
冷静に考えてみると、大切な人達はもっと身近にいたりはしないだろうか。

自分にとって本当に大切な人は誰だろう、
本当に大切にしたい時間ってどんな時間だろう。
それに、大切にしたい想いって何だろう。

こんなに便利でスピーディーな世の中を味方につけつつ、
自分の足(軸)で生きていける人というのは、縁や繋がりを大切にできる人。

自分で物事を選べる人。
自分がどんなことを大切にしたいかをちゃんと自分に聞ける人、だと私は思っている。
そうじゃないと、 強風のように流れていく情報に足をすくわれて自分を見失ってしまう。

繋がっていく人や付き合っていく人はもちろんだけど、
毎日身にまとうお洋服にアクセサリー、生活に欠かせない日用品も同じなような気がする。

どんな心持ちで取り組んでいるブランドの洋服を着たいのか、
どんな事を考えている人たちの作るものを使いたいのか。

私だったら、 縁を大切にして、
信頼できる人達とモノ作りをしているブランドや、
人の作っているモノを選びたいし繋がっていたい。

携わっている人との間にしっかり信頼関係があり、
生産者さん含め関わる人との間にリスペクトが、お互いにあること。

そんなブランドや会社はきっとお客様ともそんな関係を築けているはず。

昔むかし、私は美容室に新卒で就職活動をしていた。
東京・大阪と何十軒とエントリーして、書類選考が通りいくつか面接に進んだ時、
ここで働きたい!と思うサロンに出会えた。

なぜ強くそう思ったかというと、一人の美容学生をこんなに大切に出来るサロンはきっと、
お客様のことを大切に出来るサロンだ!と若いながら、面接を受けながらもそれに気づいたのだ。

そして晴れて合格し、その後11年務めることになった。
10代の私が感じた通り、スタッフ間にもお客さまにも愛があって信頼関係があるサロンだった。


いろんなところに就職とはいかないが、 どんな会社やブランドにこれからも存続してもらいたいのか一票投じること、
すなわち買い物はこれからの未来をつくる1ピースであると共に、私たち個人の心の豊かさに大きく関わってくる。

人に対しても同じで、
どんな人と同じ時間を過ごして、言葉を交わして、共に成長していきたいのか、
改めて見つめ直してみるのも良い。

愛に溢れていて、周りの人を大切にしていて、一緒にいると幸せな気持ちになる優しさがある、
そんな温かくも凛とした人と一緒に時を共にしたい。

そして自分もそういった人間でありたい。

人も、モノも、コトも、何と繋がって大切にしたいか選べる時代。
改めて自分に聞いてみると、どんな答えが返ってくるだろう。

その選択の積み重ねが「あなた」という人をつくっていくし、
あなたの人生もつくっていく。

時代が流れ大きく変化している今、
あなたの人生の羅針盤を見直すタイミングではないだろうか。

自分の足(軸)でこれからも歩いていこう。

Text MIRAI MATSUDA
Photo YURI HANAMORI
Model YURI ISHIZUKA

松田未来
独自の世界観と繊細なテクニックが支持され、女性誌や広告を中心に幅広く活躍するヘアメイクアップアーティスト。そのライフスタイルや独自の大人ガーリーな世界観が注目を集める。著書に「私が私らしく生きる美学」双葉社。愛用コスメや仕事風景、愛猫''マドレーヌ''との暮らしをセンス溢れる写真で切り取ったインスタグラムも人気。