女性らしくあるための私の選択
後編

肌見せする季節の前に、大人の女性が
透けや開きのあるアイテムを上品に楽しむ術を
人気スタイリスト川上さやかさんに
指南してもらいました。

SAYAKA KAEAKAMI Interview

Q.オフィスで浮かない大人の上品な肌見せとは?

A.10代や20代とは違う大人こそ、あざとく見えない肌見せを目指したいです。無防備に胸元が開いたニットや透け感たっぷりのワンピースなど、これみよがしなアイテムではなく、不意に目が留まるくらいの開きや透けでほんのり肌見せを。肌の分量を調整するために、あえてジャケットやカーディガンを羽織るのもいいですね。異性よりも同性の目を意識した方がいいかもしれません。

Q.肌見せアイテムを選ぶポイントはありますか?

A.薄着になる春夏は体の丸みや膨らみを強調するのではなく、自分の体の華奢なところを見つけて、そこを生かせる服を探してみてほしいです。今年ならフロントやバックが開いたトップスやさりげなく透けるシアー素材とのコンビ、ひざ下が覗くスリット入りなど、すっきりとクリーンに肌見せするのがおすすめです。

Q.コーディネイトの完成度を高めるには?

A.リネンやスエードなど、ドライな素材を合わせて女っぽくなり過ぎないようにしています。アクセサリーは華奢なタイプではなく、コンテンポラリーで構築的なデザインを。足元はバーサンダルやチャンキーヒールなど直線的なフォルムを。正反対なテイストや素材をミックスします。

SAYAKA KAEAKAMI Interview

パール&ゴールドボタンが映える、肌見せロングブラウス。会社にも着ていける清涼感のある素材で、シワになりにくいのも特徴。「私は身長が154㎝なので、ボリュームのある一枚にはとろみ素材のテーパードパンツでバランスを。前後のV開きは女らしさに加えて、抜け感も出て着やすいです。柔らかなピンク×ベージュトーンを辛口な黒小物で引き締め、きりっと感も意識しました」

他スタイリスト私物

「アシメトリーな開きのランダムリブニットは肌見せの分量が多いので、ボトムは長め丈のタイトスカートを選びました。去年からトレンドのロングスカートですが、今年は透け感で更新を。裾の部分だけ透けるデザインなので、そこまで緊張感がなく、気軽にはけるのが嬉しいですね。着こなしはドットを生かして、フレンチシックな気分に。ジャケットを羽織れば、きれいめにもシフトできます」

袖にシアーなドットをあしらった黒ニットは甘くなり過ぎず、大人な雰囲気で着こなせる一枚。「春先のオールブラックスタイルは重くなりがちですが、透けるボリュームスリーブのおかげで軽やかに。デザインの効いたトップスこそ、すっと受け止めてくれるシンプルなボトムを選択します。今年らしいシアー素材なら、子供っぽく見えがちなドットを女性らしく、上品に楽しめます」

他スタイリスト私物

SAYAKA KAEAKAMI Interview

「大人が肌見せしやすいパーツはデコルテ。デイリーなV開きのトップスで試してみてください」。配色が効いたブラウスは緩やかな開きがきれい。ノースリーブニットとプリントTシャツは一枚でも魅せるインナーとしても大活躍。

フロントのボタンを開けて、羽織りにもアレンジできるビッグシャツワンピース。ホームクリーニング可能で扱いやすいのも魅力。「体の見せたくない部分は隠しつつ、首筋や足首など華奢な部分を生かして肌見せを」

人気のポケットタイトスカートは今シーズンから3サイズ展開に。「深過ぎないほどよいスリットがいいですね。隙がないのも洗練されて見えず、過度な露出も女性的な美しさから離れてしまうので、これくらいを目安にぜひ!」

  • model&styling:Sayaka Kawakami
  • photography:Tomoko Meguro
  • hair&make-up:Taisei Kuwano(ilumini.)
  • text:Machiko Suyama
  • coordination:Tomoyo Ichiba(a&management.)
sense of feminity 女性らしくあるための私の選択
川上さやかKAWAKAMI SAYAKA『oggi』や『BAILA』などの女性誌で活躍するスタイリスト。元会社員の経験を生かしたリアルな通勤スタイルが多くの支持を集める。初の著書『おしゃれになりたかったら、トレンドは買わない。』(講談社刊)が発売中。instagram:@sk_120